慢性肝炎
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慢性肝炎の原因
肝臓の炎症が6ヶ月以上続いている状態を慢性肝炎と呼びます。慢性肝炎になると、食欲不振や全身倦怠感などの症状が現れる場合もありますが、多くの場合症状がありません。しかし、症状がないからといって慢性肝炎を放置していると、将来、肝硬変・肝臓ガンに発展することもある非常に重大な病気です。
慢性肝炎の原因の大部分はウイルス性疾患によるものですが、アルコールのとりすぎや肥満などの生活習慣から慢性肝炎になる場合もあります。
ウイルス性疾患 | C型肝炎ウイルス | 感染経路:血液 |
---|---|---|
ウイルス性疾患 | B型肝炎ウイルス | 感染経路:血液・性行為・母子感染 |
生活習慣 | アルコール | 飲酒 |
生活習慣 | 脂肪肝 | メタボリックシンドローム・肥満 |
■ウイルス性疾患による慢性肝炎
C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスなどのウイルス性疾患が、慢性肝炎の原因の大部分を占めています。
C型肝炎ウイルスは、血液を介して感染します。例えば、輸血、十分な滅菌をおこなっていないところでの鍼治療、刺青などにより感染する可能性があります。輸血は最大の感染経路ですが、現在の日本ではスクリーニング体制が強化されており、感染リスクはかなり低減しています。薬害C型肝炎問題で話題になったフィブリノゲン製剤などの血液製剤についても、現在は加熱処理されているため、感染リスクは低いと考えられます。
B型肝炎ウイルスは、血液を介して感染する他、性行為によっても感染します。また、母子感染が生じやすいことが知られています。
■生活習慣による慢性肝炎
アルコール、脂肪肝も慢性肝炎の原因となります。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積された状態のことであり、最近話題のメタボリックシンドロームの方の多くが脂肪肝であるといわれています。以前は、脂肪肝による慢性肝炎は肝硬変、肝臓ガンには発展しないといわれていましたが、最近、脂肪肝から肝硬変、肝臓ガンになるNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)という病態が報告され、脂肪肝による慢性肝炎だからといってあなどれなくなりました。
慢性肝炎の検査
1、肝臓の機能の検査
肝臓の機能を調べるために、血液検査を行います。肝臓の機能を表す数値(GOT・GPT・γ-GTP・ALPなど)の異常を調べます。
2、肝炎の原因の検査
肝炎の原因を調べるための検査や問診を行います。
◆血液検査:C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスの検査を行います。
◆飲酒歴の問診
3、肝臓の状態の検査
肝臓の状態を詳しく調べるために、エコー検査やCT検査*によって肝臓の画像診断を行います。場合によっては、肝臓の細胞を採取する肝生検*を行うこともあります。(*の検査は、マツダ病院・済生会広島病院へ紹介いたします)
肝炎の原因、肝臓の状態を詳しく調べた上で、肝炎の治療を行います。
肝臓は、炎症があっても無症状のことが多く、沈黙の臓器ともいわれています。肝硬変や肝臓ガンに発展する前、つまり慢性肝炎の段階で治療を行うことが最も重要なポイントなのです。慢性肝炎の早期発見のため、年1回は健診などで肝臓の検査を受けましょう!
慢性肝炎を予防するために
慢性肝炎を予防するためには、どうしたらよいのでしょうか。
◆肝炎ウイルスの感染を予防しよう
C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎になる危険性が高まります。
肝炎ウイルスに感染しないことが第一の予防法です。
C型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。日常生活では、歯ブラシや髭剃り、かみそりの共用などのような、他人の血液に直接触れる行為は避けましょう。B型肝炎ウイルスは血液だけでなく、性行為などを介して感染します。他人の血液に直接触れる行為を避け、性行為にはコンドームを使用しましょう。また、母子感染を防ぐために妊娠時には検査を受けましょう。
◆脂肪肝・アルコール性肝炎にならない生活をしよう
脂肪肝・アルコール性肝炎の予防は、食習慣から。次のようなポイントに気をつけましょう。
- 良質なたんぱく質をしっかりとる
- ビタミン、ミネラルを十分にとる
- 糖分は控えめにする
- 1日3食、規則正しく食べる
- 食べすぎ、カロリーオーバーに気をつける
- 添加物や加工食品、インスタント食品をなるべく避ける
- お酒を飲まない休肝日をつくる(最低でも週2回)